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●12日、シンガポール華字紙は日本政府による尖閣諸島国有化について、尖閣問題に対する中国政府の強い決意を見誤った結果だと論じた。
写真は11日、山東省威海市で起きた反日デモ。
『
レコードチャイナ 配信日時:2012年9月13日 15時3分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64616&type=0
<尖閣問題>中国の強硬姿勢、日本はもっと深刻に受け止めるべき―SP華字紙
2012年9月12日、シンガポール華字紙・聯合早報は
「日本は中国の尖閣防衛に対する行動力を軽視することなかれ」
と題した記事を掲載した。以下はその概要。
日本政府が発表した尖閣諸島の国有化決定は、
中国共産党第18回全国代表大会の前ということもあり、経済発展を最優先する中国が武力行使など行わないという日本政府の誤った判断によるものだ。
ここ数年、中国では貧富の格差が広がり、経済成長への圧力は激化する一方で、共産党内部の腐敗は進んでいる。
民族主義(ナショナリズム)は、内部にさまざまな矛盾を抱える中国政府にとって依存度の高い合法的な資源の1つだ。
胡錦濤(こ・きんとう)国家主席は9日、
「日本側のいかなる方法での島の購入も不法かつ無効で、中国は断固反対する。
日本側は事態の重大さを十分認識し、誤った決定をすべきではない」
と語った。
この発言は9日正午過ぎに報道されたが、約30分後に新華社総編集部はこの内容を削除。
さらに同日夜になって、発言内容を再び報道した。
このことから、中国当局が世論の日本への攻撃が高まるのを避けようとする姿勢が見てとれる。
だが、中国の指導者にとって「軟弱外交」という批判は受け入れ難いものだ。
中国外交部が10日に出した声明では
「中華民族が侮られた時代はすでに過ぎ去った。
中国政府が領土主権の侵害を座視することはあり得ない」
「日本側が一方的な行動を取れば、日本はこれによって生じる一切の重大な結果の責任を負うこととなる」
と主張。
温家宝(おん・かほう)首相も
「中国政府は主権と領土問題では絶対に半歩も譲らない」
と発言している。
近年、中国が取り続ける強硬外交について、米経済学者は「中国経済の弱体化が背景にある」と指摘する。
大卒者の就職難や格差社会の拡大、インフレ、住居価格の高騰など、中国には社会の不安定要素があふれている。
このため政府は外交問題に積極的にならざるを得ず、国内で高まる民族主義を無視することができない。
中国の強烈な民族主義は歴史と教育体制に原因があり、
そのターゲットになるのは常に日本だ。
多くの中国人にとって日本は「悪魔」であり、「敵」である。
中国政府は意図的に教育や宣伝を通じて国民に歴史上の「被害者」心理を植えつけた。
日本への深い憎しみは民族主義と容易に結びつき、いったん火がつくと抑えることは困難な状況になる。
中国国防部は11日、
「相応の措置を取る可能性がある」
と述べ、軍が報復措置を取る可能性を示唆した。
日本政府の決定や態度が、日本に対する特別な民族感情を抱く中国との戦争の引き金になる恐れもある。
日中両国にとって歴史の悲劇を繰り返さないためにも、日本政府は中国の尖閣防衛に対する行動力を軽んずることなく、慎重な姿勢を取ってほしい。
』
香港紙は煽るだけでフォローがない。
シンガポール紙は第三者的にみている。
「中国が取り続ける強硬外交について、米経済学者は「中国経済の弱体化が背景にある」と指摘する」
いわば、国内の鬱積したもののガス抜きを狙っているのが、恫喝外交だといわけである。
そして、
「そのターゲットになるのは常に日本だ」
となる。
「中国政府は意図的に教育や宣伝を通じて国民に歴史上の「被害者」心理を植えつけた」
そのため、
「多くの中国人にとって日本は「悪魔」であり、「敵」である」
からして、ガス抜きにはもってこいの対象であった。
ところが、今回は様子が違ってきた。
これまで絶対にありえなかった、そのガス抜き先が、歯向かってきた。
これまでは「私が悪うございました」と言い続けてきた日本がなぜ今回に限って対抗姿勢をとるのか。
それが中国にはわからず、呆然としてしまっている。
なぜかの理由は
「中国共産党第18回全国代表大会の前ということもあり、経済発展を最優先する中国が武力行使など行わないという日本政府の判断」
そして、
「ここ数年、中国では貧富の格差が広がり、経済成長への圧力は激化する一方で、共産党内部の腐敗は進んでいる」
という事実。
「大卒者の就職難や
格差社会の拡大、
インフレ、
住居価格の高騰など、
中国には社会の不安定要素があふれている」
とみて、日本は中国にゆさぶりをかけているということである。
シンガポール紙はこの日本の姿勢に危機感を持っているようで
中国の強硬姿勢、日本はもっと深刻に受け止めるべき
と警告を発している。
日本は中国が強硬に出ざるをえないほどに詰りつつあるとみる。
そこで、
「ガス抜きができないと中国はその内部圧力で自爆する」
とみている。
つまり、ガス抜き口に栓をしてみた、というわけである。
とするとどうなるか?
日本はバルチック艦隊を沈めることでツアー皇帝のロシアを解体に追い込むきっかけを作った。
今度は解放軍海軍を沈めることで中国共産党独裁政権を崩壊に導くかもしれない、という歴史的事件に立ち会えるかもしれない。
シンガポール紙のいうごとく、現在の共産党体制は格差が大きく腐敗して立ちゆかなくなっている。
これまでは高度経済成長が中国を急激に伸張させてきた。
急激に大きくなる’ものは、急激に崩れる。
あまりの急激な膨張に体力が持たないからである。
独裁的固定体力は急激な膨張に耐えるだけに柔軟性にかけている。
民主主義は軟体制度だが、独裁主義は硬体制度である。
ある程度は大きくなるが、限度を超えては大きくなれない。
つまりパイが’大きくなっているうちはいい。
矛盾が拡散されるから。
だが、パイの拡大が止まると、矛盾が濃縮され高圧力になる。
「民族主義(ナショナリズム)は、内部にさまざまな矛盾を抱える中国政府にとって依存度の高い合法的な資源の1つだ」った。
しかし、ガス抜きをとざされた場合、噴き出る先を失った矛盾は内部を循環して渦となり、最後は圧力容器そのものをぶち壊すことになる。
共産党独裁という圧力容器がついには耐え切れずに爆発してしまう。
もしかしたら、日本はバルチック艦隊の撃沈に続いて、解放軍海軍を海に沈めることで、共産党独裁政権を壊すことを目論んでいるのかもしれない。
まあ、そういった大げさなことでなくても、ガス抜きに栓をすることでも、おそらく共産党政権は動揺する。
その動揺をシビアに感じるなら、中国は引っ込むと見ているのかもしれない。
もし、引っ込まずに押し込んだ栓を吹き抜くために、民族主義を旗印に、尖閣略奪に踏み込むならそれもまた結構、とおそらく何通りものシナリオを描いているのであろう。
最終的には日中全面戦争もありうるということも想定のうちだろう。
少なくとも、いまの日本には楽な方法から、究極の方法まで様々なケースのシュミレーションがなされており、時と場合にあわせて、そのマニュアル化された行動をたんたんとして消化しているということであろう。
見ててわかるのは、
日本の動きにあせりとか怯えとかがまったく見当たらない
ことだ。
手続きにしたがってやることをやるだけであって、それについてどうこうという問題が一切浮上してこないということだ。
ちょうど、東日本大震災のときの日本人の行動と同じだ。
どんなに不幸なことになっても、粛々と事をこなしていく姿である。
解放軍が尖閣を略奪しても、日本は法的にマニュアルにそってなすべきことを実行していくだろう。
よって、中国の強硬姿勢などは今の日本にとって深刻に受け止めるほどのものではない、ということであろう。
やりたかった、おやりなさい、マニュアルに書いてある通りに日本は対応します、
と顔色を変えずに反応するだけなのだろう。
わかりやすく言うと、
今の日本には脅し文句がまったく通用しなくなってしまった
ということである。
その結果が何をもたらすかは、ちょっと分からないが。
ただ、定められたルーチンワークとしていかなる状態でも、その状況での作業をこなしていく、ということなのだろう。
「ここに日本政府に丁重に警告する」
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