2012年9月16日日曜日

反日感情悪化:日本製品ボイコット・ブーム


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●15日、中国メディアは「私が日本製品を使う権利を尊重して」とする記事を掲載した。写真は上海の販売店前で行われた日本車を燃やす抗議パフォーマンス。


● 12日、中国新聞週刊は呉暁波氏のコラム「中国はこの100年で3回の日本製品ボイコット・ブームを経験した」を掲載した。写真は黒竜江省のスーパーの「日本製品ボイコット」立て看板。



レコードチャイナ 配信日時:2012年9月16日 6時31分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64702&type=0

<尖閣問題>
反日感情悪化、日系企業へのダメージ深刻=対日経済制裁も懸念

 2012年9月14日、人民網日本語版によると、尖閣問題がますます激化し、中国の日系企業は非常に困った情況になっている。
 中国商務部の姜増偉(ジアン・ズンウェイ)副部長は、日本側による魚釣島など尖閣3島の国有化は不可避的に日中間の経済貿易関係にマイナス影響を与えるとの見方を示した。
 国際金融報が伝えた。

 中国の日系企業に取材を申し込んだところ、相次いで拒絶され、日系企業の苦境さをうかがわせた。
 中国最大の食品メーカー、康師傅の陳功儒(チェン・ゴンルー)スポークスマンは、日本の資本が入っている企業と日本の食品とを一緒にすべきではなく、一緒にするのは不公平だと話した。

 取材に応じた日系企業数社は正面から回答しようとせず、
 「今は敏感な時期のため、これ以上は話せない」
などとしている。

 キヤノングローバル戦略研究所の瀬口清之研究主幹はこのほど、
 「今、日本が最も心配しているのは、
 中国政府が最終的に国内の反日圧力をコントロールできなくなり、
 日本に対する経済制裁措置を検討するようになることだ」
と述べた。
 これに先立ち、日本のメディアの多くから、日本政府は中国が次に取るかもしれない制裁措置への対応で苦しむことになるとの懸念の声が聞こえていた。

 復旦大学経済学院の孫立堅(スン・リーシュウ)副院長によると、日本の製造業は尖閣問題を受け、中国市場でのシェアが縮小し、大きな打撃を受けることが予想される。
 将来的に製造業の地位が韓国などの国に取って代わられる可能性があるという。

 資料によると、中国は2007年に日本の最大の貿易相手国となり、今なお日本にとって1番目の貿易相手国であり、最大の輸出市場であり、最大の輸入由来元となっている。
 製品の分布についていうと、中国市場では日本製の自動車、電子製品、漫画・アニメーション、ゲーム製品が長らく歓迎されている。
 また、レアアース(希土類)など中国のさまざまな鉱物資源が、日本の製造業にとって欠かすことのできない原材料となっている。

 業界関係者によると、尖閣問題が長引けば、中国の日系企業にマイナス影響を与えることは避けられない。
 実際、8月の自動車市場をみると、ホンダを除き、トヨタ、日産、スズキ、マツダの販売台数は軒並み低下した。

 姜副部長はこうした事態について、日中の経済貿易協力には良好な政治的環境が必要で、これは世界共通のルールだとし、良好な政治的環境と両国関係が2国間や多国間での経済貿易発展の土台だとの見方を示した。

 また、日中経済貿易関係が今日のような規模と水準に発展したのは双方がともに努力した互恵協力の結果で、たやすいことではないと強調。
 両国はこうした関係の維持に心を砕くべきだとし、日本が適切に対処し、2国間の経済貿易協力に向けて良好な環境と雰囲気を作り出すことを希望すると語った。


 中国の反日制裁は軍事か、経済かの2つである。
 まず軍事だが、中国はには尖閣を軍事奪取し、占有し続けるだけの力はない。
 一時、奪取して奪い返されたら面目まるつぶれになる。
 そのときは、共産党政権が危うくなる。
 よって、解放軍がでてきても、実力行使までにはいかない。
 つまり、日中の軍事衝突はない、とみるのが妥当であろう。

 とすれば、中国の反日切り札は経済制裁になる。
 これはけっこう日本にたいしてダメージとなる。
 今の中国は「世界の生産工場」としての役割を終えようとしている。
 過去のような人件費の低さがメリットという時代はすぎ、企業は生産工場の中国離れを加速している。
 また、メキシコなどの南米が中国の賃金レベルに追いつきつつある。
 よって中国は将来的には「世界の消費市場」に生まれ変わることを望んでいる。
 それを見越して企業は中国に進出している。
 


レコードチャイナ 配信日時:2012年9月16日 19時22分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64712&type=0

<尖閣問題>この100年で3度目となる日本製品ボイコット・ブーム―中国

 2012年9月12日、中国新聞週刊は呉暁波(ウー・シャオボー)氏のコラム
 「中国はこの100年で3回の日本製品ボイコット・ブームを経験した」
を掲載した。

 第1回目の日本製品ボイコットは1915年、対華21カ条の調印を契機としたものだった。
 以来、日本製品ボイコットは政治的スローガンとして定着する。

 第2回は1931年、満州事変がきっかけとなった。
 ナショナリズムの名の下の暴力が認められ、政府の積極的な関与が制度化した。

 第3回は1990年代以降。
 ここで登場したのは中国経済の発展と日本の衰退という新たな現実だ。
 今や中国のGDPは日本を抜き世界2位となった。
 かつての日本製品ボイコットではマッチや毛織物などさまざまな製品がボイコットの対象となった。
 だが今ではそうした産業分野レベルで対象となるのは車ぐらいだ。

 中国は強くなったのだ。
 かつての清朝や袁世凱政権、国民党政権のような(強い日本と弱い中国という)関係ではない。
 われわれはより理性的に、より自信をもって近隣関係を対処することができる。

 日中は「一戦交える必要がある」かどうかはわからない。
 しかし日中が東アジアに存在するのは必然であることは知っている。
 さて、最後に経済史における一つの事実をお伝えしよう。
 ボイコットによって国家経済を発展させた国は一つもない。
 中国、日本もまたその例外ではない。


 「ボイコットによって国家経済を発展させた国は一つもない。
 中国、日本もまたその例外ではない。
とあるが、日本は中国製品をボイコットしたことがあるのだろうか。
 中国製品は
 「安全に疑問がある」
としてボイコットすることはあっても、それ以外にはないと思うが。
 とするとこの文章は
 「中国もまたその例外ではない
というふうになってしまうのだが。



レコードチャイナ 配信日時:2012年9月16日 14時20分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64710&type=0

<尖閣問題>日本製品ボイコットの動き広がる=車、家電の販売減が鮮明に―中国


●14日、中国新聞網は記事「中国の家電販売サイト、率先して民間版『経済制裁』を発動」を掲載した。写真は15日、北京の自動車販売イベント。あるメーカーは展示車に「愛国消費、国産車を買おう」と書いた国旗をかぶせていた。

 2012年9月14日、中国新聞網は記事
 「中国の家電販売サイト、率先して民間版『経済制裁』を発動」
を掲載した。

 日本政府による尖閣買収問題の余波が広がるなか、中国の家電販売サイトが次々と日本製品の販売をストップするなど日本製品ボイコットの動きが広がっている。
 日系自動車メーカーの市場シェアは8月、前年同期比2%マイナスとなった。

 また日系家電メーカー各社の売り上げも20~40%の大きな落ち込みを記録しているという。
 日本から商品を発送する個人輸入代行業も大きな影響を受けている。
 「日本製品ボイコット」の動きはこれだけではない。
 共同購入クーポンサイト・妹妹団は社員が日本製品を購入した場合、経費では落とさせないと宣言した。




ロイター 2012年 09月 14日 15:35 JST
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE88D04420120914

アングル:尖閣で過熱する中国の反日感情、「日本製」人気は動かず

[南京(中国) 14日 ロイター] 
 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権をめぐって中国各地で反日デモが起きているが、中国主要都市の小売店やデパートでは、日本製の電化製品や衣料品の売り上げに影響は出ていないようだ。

 「南京大虐殺」で反日感情が強いとされる南京でも変化は見られず、日本食レストランの前には普段通り列ができている。
 同市の繁華街「新街口」近くにある日系の小売店や外食店の店長らは、日本政府による尖閣諸島国有化で反発は強まっているものの、客足の鈍りはないと口をそろえる。

 「日本は嫌いだが、西側諸国の人たちが言うように『政治は政治。経済は経済』だ」。
 南京中心部にある家電量販店ヤマダ電機から出てきた男性(27)は、買い物袋を手に
 「私は自分が買う商品の質の方が気になる」
と話した。

 中国の当局者やメディアは尖閣問題をめぐり、中国政府は必要なら軍事力の行使も含めた断固たる姿勢で臨むべきだとして、日本に対する強硬姿勢を強めている。
 中国商務省の姜増偉次官は13日、日本との緊張の高まりで日中間の通商関係が損われる恐れがあると指摘した。

 世界第2位の経済大国となった中国と第3位の日本。
 日中関係の不安定化は、欧州債務危機や米景気回復の遅れに打撃を受けている世界経済にも影響が出てくる。
 しかし、上海や北京では、日本製品に対する需要に目立った変化はなく、これまでのところ尖閣問題をめぐる高官らの発言が消費者の行動に影響を与えている兆候は見られない。

 その一方で、すでに中国経済の減速に直面する日本企業が、尖閣問題の影響を受けるリスクは高まっている。
 南京大学のYu Jingping教授は、日中間の緊張は近年で最も高くなっていると指摘。
 「2国間経済への影響は中国政府の出方次第だ」とし、
 「そのインパクトは極めて大きくなる可能性がある」
と分析する。

 尖閣問題の日本企業への影響はすでに一部で表面化している。
 大規模販促イベントや記者発表会などの中止や延期を当局から求められる日本企業が増えているという。
 今週には上海市が、東レがスポンサーのマラソン大会の大会名から東レを削除する措置を取った。

 中国に進出する日本企業のコンサルティングを手掛けるマイツグループの池田博義最高経営責任者(CEO)は、
 「多くの日本企業が中国の景気減速を懸念し、消費者需要を拡大したいと考えている。
 そのため、大規模な販売促進ができないのは打撃となるはずだ」
と述べた。

■<中国の景気減速>

 日産自動車)の志賀俊之最高執行責任者(COO)は先週、日本の自動車メーカーは大規模な屋外での販促キャンペーンを開くことが難しくなっており、8月の販売台数に響く可能性があるとの見方を示した。

 ただ、中国経済全体が減速する中、領土問題が企業に与える影響を数値化することは難しい。
 南京市内にある日産ディーラーの販売マネジャー、Wang Zhaoshen氏は、政治的緊張はこれまでのところ営業成績には影響しておらず、市場全体の減速の方が大きな懸念だと説明。
 「志賀氏はそれ(尖閣問題)を口実にしているのではないか」
と述べ、自動車メーカーにとっての本当の問題は、労働コストの上昇や原油高にあると指摘した。

 一方、トヨタ自動車系のディーラーでは、日中間の緊張が高まって以来、顧客の5%が購入をキャンセルしたという。
 同店のマネジャーは
 「それ(尖閣問題)が本当の理由かは知る由もないが、他に探しようがない」
と語った。

 日中間の貿易規模は過去10年にわたって拡大を続けてきたが、それでも戦前・戦中の日本の行動は、多くの中国人にとっていまだ癒えない傷として残っている。

 「南京市民としては、虐殺を理由に日本に対してはいつも敵意を感じてきた」。
 こう話すLiang Yanさん(30)は、本心では日本製以外を買いたいと思っていても、カメラやレンズなどは高品質な日本メーカーを渋々選んでしまうという。

 それでも、Liangさんは
 「中国がもっと力をつけ、商品の質も向上すれば、私は中国製品への乗り換えを考えると思う」
と付け加えた。

(原文執筆:Kazunori Takada記者、Jane Lanhee Lee記者、翻訳:野村宏之、編集:宮井伸明)




レコードチャイナ 配信日時:2012年9月18日 6時8分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64738&type=0

<反日デモ>日本製品を使う権利を尊重して!愛国にも理性を―中国メディア

 2012年9月15日、中国のニュースサイト・西部網は尖閣諸島問題で拡大する反日行動について、
 「私が日本製品を使う権利を尊重して」
とする記事を掲載し、
 「中国人として日本製品をボイコットするのは一理あるが、暴力的に他人に強要するのはどうか。
 中国製品の質を上げることこそ重要ではないか」
と伝えた。以下はその概要。

 日本製品をボイコットすることは、日本政府に圧力をかけるのに一定の効果があるかもしれない。
 中国人として愛国心を表現するのに問題はないと思う。
 しかし、今は法治社会。
 一線は守るべきだ。
 そうでなければ、最終的には中国人自らを傷付けることになるのではないか。

 上海では13日、自分が持つ日本車を焼き、抗議した人間がいたが、おかげで周囲の道路は通行止めになった。
 自分の所有物をどうしようと構わないが、道で公然と車を焼くのは、市民の安全を脅かす違法行為ではないか。
 私は先日友人とホテルで食事し、停めていた日本車でホテルを出ようとしたところ、見知らぬ4人に囲まれドアをレンガで叩かれた。
 友人はその後怖くて車を使えなくなった。
 日本製品が好きな同僚は、「売国奴」「冷血動物」と非難され、仕方なく「もう使わない」と言っていたが、陰ではストレスだし不便だと嘆いていた。

 欧米製品や日本製品のボイコットは、半植民地・半封建時代から中国人が怒りを表現する一つの手段になっている。
 しかし、ボイコットにはいつも破壊活動が加わり、しばらくすると沈静化することの繰り返しだ。
 民族の利益は重要だが、他人に暴力的な手段で強制し、他人の権利を奪う権限が誰にあるのか。
 一般市民は民族の利益のため、自己犠牲を強いられるものなのか。

 経済がグローバル化する時代に、必要なのは自国製品を強化することではないか。
 中国で粉ミルクの品質問題が起きた時、人々は狂ったように外国製品を買い争った。
 中国製品の質が日本製を超えることができず、日本製品を買いたい人がいて、市場は確かにあるのだ。
 中国の開発研究者はこの事態をどう考えるのか。

 愛国心には理性が必要だ。
 日本製品ボイコットも理性的なはずだが、いったんタガが外れると限界を超えて理性を失う。
 私は言いたい。
 法に基づいて私はあなたが日本製品を拒否する権利を尊重するが、私が日本製品を使う権利も尊重してほしい。
 あなたが自分の日本車を燃やす権利を尊重するが、私が道を自由に歩く権利も尊重してほしい。
 あなたの愛国心と義憤を尊重するが、私の冷静な理性も尊重してほしい。
 私たちはすべて法を守って行動すべきであり、そうしてこそ私たちの力と大国としての心のあり方を示せるのではないか。





 「ここに日本政府に丁重に警告する」



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