2012年9月28日金曜日

しばらく「あえて触れない」作戦:『好意的に無視』

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● 26日、尖閣諸島をめぐる対立が続く日中関係について、英紙は「領土問題に対する好意的な無視」が現状を鎮静化させる最も効果的な方法だと論じた。資料写真。



レコードチャイナ 配信日時:2012年9月28日 3時32分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64995&type=0

<尖閣問題>
このままでは共倒れ、しばらく「あえて触れない」作戦に出てみては?―英紙

 2012年9月26日、尖閣諸島(中国名・釣魚島)をめぐる対立が続く日中関係について、英紙フィナンシャル・タイムズは
 「領土問題に対する好意的な無視」
が現状を鎮静化させる最も効果的な方法だと論じた。環球時報(電子版)が伝えた。

 記事は、双方の国民感情が落ち着くまで「領土問題に対する好意的な無視」という作戦をとることが望ましいと指摘する。
 経済的な結びつきの強い両国にとって、長期的な対立は何のプラスにもならないことは明白。 
 同様の問題を抱える中国と台湾も、この作戦を採用し、一定の成果を収めている。

 日中貿易は過去10年で3倍に膨らみ、総額3400億ドル(約26兆4000億円)を超えるまでに成長した。
 中国は日本にとって最大の輸出市場であり、近年の日本の対中投資額も米国や韓国の2倍となっている。 
 日本のチェーン店は中国全土のあちこちで見られ、ありとあらゆる日本製品が売られている。

 このまま日中の貿易が中断し、日本製品の不買運動が進めば、日本側がかなりの損失を被ることは目に見えている。 
 だが、中国も人ごとではない。
 これら日系企業の大半は原料や労働力を現地で調達しているからだ。
 生産がストップすれば、原料は売れなくなり、失業者であふれることになる。

 中国リスクを避けるため、日本は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に加盟し、米国を中心とする貿易集団の仲間に入ることになるかもしれない。
 だが、アジア回帰路線を取る米国との連携を強めることは、中国の不安をあおるだけ。
 かえって関係がこじれることになる。

 こうした現状を踏まえ、記事は
 「領土問題の激化は双方にとって何もよいことはない。
 日中両国はこの問題をしばらく『好意的に無視』することが一番だ
と説いている。


 あの好戦的な環球時報(電子版)が英国メデイアの意見を取り上げたということは、おそらく
 そういった形で落とし所を探ろうというメッセージであろう。

 『好意的に無視』とはどうしたらいいのか。
 それを考えるのは政治家のしごとである。
 おそらく念頭にあるのは落とし所と同じ「棚上げ」だろう。
 日本は現在の状態で棚上げする。
 つまり国有化が含まれるとするだろう。
 しかし、中国は国有化されていない過去の状態で棚上げする、ということになる。
 「棚上げ」を実行するとなると、一般論的には棚上げを行った時点の状態での棚上げになるだろう。
 よって日本に有利ということになる。
 しかし、それでは落とし所がない。
 中国は、国有化は認められない状態で棚上げする、という形で決着をつけるだろう。
 それぞれ勝手な思惑で、勝手な判断で棚上げするしかあるまい。
 つまり「国有化の文言」は触れることなく棚上げするということになる。
 それが 『好意的に無視』ということになるのだろう。
 月日がたって蒸し返されたとき、日本は国有化で棚上げであるとし、中国は国有化以前の状態で棚上げであったと、またぶつかりあうことになる。

 だが今はとりあえず、
 答えは先延ばしにしよう、
いわば姑息な手段でまとめるしかないということであろう。
 はて、日本はそれに応じるだろうか。
 一気に方をつけようと考えているのだろうか?

 中国にはじめのころの「日本にその覚悟はあるのか」と迫った元気さがあればいいのだが、今の中国にはとてもそれは望めない。

 中国は、いまのところこの問題ではどんどん後退していっている。
 あまりに、日本が強硬であったために手の打ちようがなくなっているということだろう。
 日本は戦争を厭わないという態度に対して、中国は国内情勢からみてそれはとんでもないことになっている。
 やはり足元の固さなのだろう。




「ここに日本政府に丁重に警告する」 



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