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●8月25日、中国広播網はロシア太平洋艦隊の艦艇2隻が日本の北方領土である国後島、択捉島に停泊したと報じた。「記憶の航海」と呼ばれる記念活動だという。写真はロシア海軍の上陸演習。
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レコードチャイナ 配信日時:2012年9月19日 21時34分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64794&type=0
日本に対して強さ誇示する中国、その台頭はロシアに不利に働く―露メディア
2012年9月18日、環球網によると、
「中国の台頭はロシアにとって有利に働くとは限らない」
との記事を、ロシアメディアが掲載した。
記事によると、日中関係が急激に悪化したことを受け、数千隻におよぶ中国漁船が両国が領有権を争う尖閣諸島(中国名・釣魚島)に向けて出航したとの情報もあるが、ロシアの外交専門家は
「この緊張は早い段階で解消する」
と楽観的な見方を示している。
だが、ロシアが中国側に立つことについては、「不安が残る」と指摘。
中国が強さを前面に押し出し始めた一方で、日本など周辺のライバルは軒並み弱体化しているが、同時に北朝鮮のような友好国が強さを増しており、ロシアにとってはあまり有利な状況ではないとしている。
日中の対立は徐々に緩和されていくことが予想されるものの、それは日本の外交政策の機能が低下し、中国が台頭する状況下でのこと。
記事は、これがロシアや米国、日本を含む中国の台頭を懸念する国々が互いに歩み寄る原因の一部であるとした上で、ベトナムやオーストラリア、インドなどの国々も今まさにそうした中国の台頭がもたらす痛みを味わっている、と指摘している。
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ロシアの首相が北方領土を訪問したこと、尖閣諸島トラブルのときロシア艦船が北方領土近くに留まったこと、このニュースはよく知られている。
韓国紙あたりは「中・韓・露が連携して日本にあたろう」などと書いていた。
ロシアはそんなに甘くない。
読み違いだろう。
ロシアの意中はこうだ。
「実効支配しているものが強い、だからロシア首相は北方領土へいく。
日本の首相も尖閣に行くべきだ」
「実効支配を有効化するのは軍事力だ、だから艦船を北方領土で出向かせる。
日本は自衛隊を尖閣海域へ送りこむべきだ」
という姿勢を、ロシアはわかりやすく実行してみせたということだ。
「日本はオレのやる通りやれ」
というわけである。
ロシアは冷戦時代に一方の雄として生き抜いてきた国だ。
お人好しではない。
遥かに、冷酷にして非情の国家だ。
ソロバン勘定している国であり、合理的に動ける国である。
その国がいま、一番注目しているのが中国だ。
中国の台頭はロシアにとって脅威である。
ずばりそれはロシアを危うくする。
「
ロシアはアメリカに対抗するために中国を使う。
そして、中国と対抗するために日本を使う。
」
これが外交だろう。
ロシアの外交は理にかなっている。
あたりまえのことだが、
一番の利益を受けるのはロシアでなくてはならない。
これがポリシーである。
中国が強くなれば国境線を長くもつロシアは恐れる。
そこで、日本に海域での中国封じ込めを誘導する。
アジア海域での海軍ナンバー1 は日本である。
これを有効に使って、解放軍の海軍を抑えこむ。
これが、ロシアの戦略だろう。
だから、ロシアはアメリカと敵対してはいるが決して中国と深くかかわらない。
表面だけにとどめている。
この程度のことは誰にでもわかることである。
日本がロシアの立場なら必ずそう動くからである。
よって「中・韓・ロの連携」などというものはまったくありえない。
韓国の無能メデイアの「こうなったらいいな記事」にすぎない。
ロシアは中国より冷酷である。
その冷徹な心から出てくるものは、合理的にしてわかりやすいものである。
常に、自国利益がその中心にある。
いま、中国はロシアの利益を脅かしつつある存在になりつつある。
そこに、日本がからんでいく。
ロシアとしては日本が常に中国と事を構え、中国にプレッシャーをかけ続けてくれることを望んでいる。
北方領土におけるロシアの動きの一つ一つは、
「日本よこうやれ」
とのシグナルである。
もちろん、そうやることはロシアの利益につながるが、日本の利益には繋がらないことくらい日本も百も承知している。
だから、そうウカウカとはロシアの誘いには乗らない。
外交展開としては面白い状況といえる。
少なくとも中国あたりの恫喝外交よりも深さがある。
ちなみに、ロシア艦艇が北方領土に停泊したという記事を載せておく。
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レコードチャイナ 配信日時:2012年8月26日 22時9分
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=64088&type=
ロシア艦艇が北方領土に停泊=日本の硬直的態度で停滞続く領土交渉―中国メディア
2012年8月25日、中国広播網はロシア太平洋艦隊の艦艇2隻が日本の北方領土である国後島、択捉島に停泊すると報じた。
今回の航海は「パホト・パーミャチ」(記憶の公開)と呼ばれる記念活動。
艦艇2隻が参加する。オホーツク市創建365周年を記念し、サハリン、千島列島(クリル諸島)占領時に死亡したソ連海軍将兵を追悼する目的だという。
オホーツク市の前にまず国後島、択捉島に停泊する。
中国の現代国際関係研究院ロシア研究所の馮玉軍(フォン・ユージュン)処長は北方領土問題において、ロシアは硬軟おりまぜた態度を見せていると指摘した。
プーチン大統領は領土交渉に応じる姿勢を示し日本人に希望を与えている一方で、千島列島は二次大戦の戦果でありこの結果は揺らぐことがないとの立場には揺らぎがないという。
中国社会科学院ロシア東欧中央アジア研究所の姜毅(ジアン・イー)研究員は、北方領土問題では日本の硬直的な態度が問題解決のさまたげになっていると指摘した。
四島返還が大前提であり、しかも領土問題が解決しないかぎり政治・経済的交渉の進展もないという態度を日本は貫いている。
ロシアは二島返還での解決を打診しているが、日本側は従来の主張を繰り返すばかりとなっている。
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「ここに日本政府に丁重に警告する」
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